〜友達っていいな。仲間っていいな。〜
(つつみせんせい
 年長組の子ども達は、幼稚園生活もラストスパートに入りました。もうすぐ入学する学校への期待に胸をふくらませながら友達との遊びに思いきり取りくんでいます。自分の思った事、考えた事を友達と言い合い、もっと楽しく遊ぶ為にはどうすれば良いか考え合っている姿を見る度に、今までのいろいろな出来事を思い出し成長を感じているところです。
 年長組に進級する際、クラス替えがあり新しい担任だけでなく、新しい友達との出会いも経験します。年長組になった事がとてもうれしく、はしゃぐ姿が見られると共に友達との関わりではまだぎこちなさが感じられ、不安な気持ちをもっていた子もいたように思います。今まで関わりが少なかった子ども達を遊びや生活を通して接点を見つけ、橋わたしを続けていく事で新しい友達に目が向いてきた時、こんな事がありました。
 バス登園してきたAちゃん、少しバスに酔ってしまったらしく部屋に入ってくると座りこんでしまい、つらそうにしていましたが、がまんできなかったようで立ち上がったかと思うとその場にもどしてしまいました。どうしたら良いか分からず涙ぐむAちゃん。周りにいた子達は「うわーっ」「げぼだー」など口々に言い、Aちゃんを遠まきに見ているだけ。その時、スッとBちゃんがAちゃんの横に行き何も言わずに肩に手を置きました。そして騒いでいる子達にむかって「げぼして苦しいんだよ、そんなに大声で言わないで。」と言ったのです。口々にいろいろな事を言っていた子達はハッとしたような顔になり、一瞬シーンとしました。そして次第にAちゃんの近くに集まり、のぞきこんだり、「大丈夫?」と声をかけたりし始めたのです。咄嵯の出来事で本人も、まわりの子も動揺した様子でしたが、Bちゃんの静かな一言が、先生が言葉をかけるよりもぐっと子どもの心の中に入りこんだように感じました。AちゃんにとってもBちゃんのこの一言は、とてもうれしく心に残ったのではないでしょうか。
 また、こんな事もありました。運動会で体を動かす楽しさをたっぷり味わった子ども達。特に年長児は、走るだけでなく勝負のおもしろさもついてくるリレーが大好きです。バトンの数だけチームを作り自分達でメンバーを決めています。リレーが始まると、どの子も一生懸命走っていますが、足が遅いC君のいるチームは何回やっても差がついてなかなか勝てません。C君と同じチームのD君は、勝ちたい気持ちが高まっていて、走っている友達の姿を見ながら何やら考えている様子です。何度めかにスタートする際、D君は自分が第一走者になり、二番めのC君にバトンを渡しました。D君が少しだけ他のチームの子よりもリードしていたので、相手チームより早くスタートする事ができたC君。懸命に走り、抜かれずに次の子にバトンを渡す事ができました。結果的には、C君達のチームは負けてしまったのですが、C君のがんばりは.見ていてしっかり伝わってきました。リレー後に、D君がC君にむかって「足速くなってきたじゃないか」と、言葉をかけている姿を見ました。すると、君も顔いっぱいの笑顔で「うん、うん。」とうなづき、跳びはねながらうれしさを表わしていました。友達に認められた事がC君にとっては何よりも大きな自信になった事を感じると共に、負けた事を言うのでなく、友達ががんばった事に目をむけるができるようになっていた事に心が温かくなるのを感じました。
 園生活の中で子ども達は、人との関わりの面で様々な経験をしていきます。楽しい経験、うれしい経験、考え合ったりぶつかり合ったりする経験などなど…。大人との関わりの中で味わえない気持ちを、子ども同士の関わりで学んでいきます。時には軌道修正が必要な時がありますが、子ども達が遊びの中でお互いに影響し合っているところを`大切に見守っていきたいと思っています。
 いっぱい笑って、いっぱい泣いて、いっぱい考えて−。年長サン!残りわずかな園生活だけど、いろんな思い出をもっともっとたくさん作っていこうね。